おばなざわ酒米づくり研究会は、2011年の米価下落をうけ、代々の田畑を維持するため個々に何をすべきか共に考えるため集結し結成されました。
作付けしている酒米は山形県内では作付け不可能と言われつづけた酒米「山田錦」です。
酒米栽培は2010年当時北限だった福島県喜多方の大和川酒蔵の蔵元と地元寺内の中山芳明先生から助言いただきました。
2012年より尾花沢市内4地区(玉野・常盤・福原・尾花沢)に作付け開始されました。
初雪の早い豪雪地尾花沢では、稲穂が長く、大粒のコメは収穫の前に倒伏する。そもそも実るはず無い!
とまで言われたやっかいな酒米です。
山形県を代表とする育てやすい「はえぬき」と比較して育ててみてその違いに驚きました。
米どころ庄内や置賜地域では何度もチャレンジして、継続した安定した収穫をする事ができなかったそうです。
様々な農業関係者から「なぜ尾花沢でできるのか?」ど今だに言われます。
ここ尾花沢は昭和の時代に山形県の米の試験場がありました。
豪雪地での厳しい環境での米作りの技が、先祖代々の田とともに農家の技の中に今も活きています。
温泉の源泉を使ってタネを鍛えたり、「寒だめし」や宇宙の星の動きを研究している「気象ものさし研究会」の天候予報や米軍の精密な天気図を読み解いて、発芽や田植えの時期を決めています。
研究会会員の様々な角度の研究から叡智を結実させ不可能と言われつづけた「尾花沢産山田錦」1等米が収穫可能になりました。
寒暖の差が激しく、冬は初雪の早い尾花沢では安定した収量の確保が難しいと言われていますが、今では、毎年の天候にも負けず元気に力づよく成長しています。
これも全て、地元の酒米を美味しく醸造してくれる朝日川酒蔵の蔵人の知恵と熱意、美味しい地酒をこよなく愛する「楽酒楽酔の会」の皆さんの支援の賜物です。